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モーツァルト ピアノソナタK.545第2楽章 ピアノ教室CAT ピアノねこだよりのブログ

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  モーツァルト ピアノソナタK545  第2楽章    by  pianonekodayori 曲が簡単なほど、音楽的に表現することは、むずかしい。 モーツァルト ピアノソナタ第16番K.545は、ソナチネアルバム1に掲載されており、ピアノ学習者が初めて弾くモーツァルトのピアノソナタになることが多いと思います。 前回はモーツァルト  ピアノソナタK.545 第1楽章について、趣味でピアノを習っているお子さんとその保護者の皆さん向けに解説しました。 今回は、第2楽章です。 この第2楽章のように、ゆったりとした速さの曲のことを緩徐楽章と言います。 テンポが遅めの曲は易しいと初心者の方は、初めは思うでしょう。 ところが、弾いてみると初心者の方は、テンポが遅めの曲はむずかしいことを理解するでしょう。 初心者の場合、まず自分の意図したようにテンポを遅めにすることが難しい。 ゆっくり弾くということは、1音にかかる時間もゆっくりしているので、1音1音をしっかり鳴らすために、指で手をしっかり支える必要があります。 指で手を支えきれないため、演奏者が意図したものよりテンポが速くなっていくわけです。 そもそも趣味でピアノを習っているお子さんの場合、緩徐楽章は練習しないこともあると思います。 それは、いくつか考えられる理由があります。 1 第1楽章や終楽章のように速いテンポの曲のほうが、指が回るようになるから。 2 緩徐楽章は表現の仕方が難しく、曲調も子どもには向かないから。 でも本当に、そうでしょうか? モーツァルトのピアノソナタK.545第2楽章は、美しい曲です。 明るさと切なさと、苦しみ、すべての感情を包み込むような美しい曲です。 楽譜を見る限り、これだけ音はシンプルなのに、深みのある音楽は、なかなか見ることができないと思います。 この曲を表現するのには、様々なテクニックを使って、1音1音の意味を考えて音を出すことが必要です。 しかし、そんなに難しいことだと思わないで下さい。 ここまで弾けるようになったのは、あなたの努力の結果です。 ぜひ緩徐楽章にも挑戦して、あなた自身が感じたことを表現してみましょう。 ピアノを弾くためのテクニックは、あとから身につきます。 ご一読頂き、ありがとうございました。 またお会いしましょう!

モーツァルト ピアノソナタK.545 第1楽章 ピアノ教室CATピアノねこだよりのブログ

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  モーツァルト ピアノソナタK545第1楽章 by  pianonekodayori 趣味でピアノを習っている生徒さんが苦手とする事。 音階を弾く。 アルペジオを弾く。 基本的なテクニックですが、ハノンピアノ教本のように、音階だけ、分散和音だけを取り出した曲は苦手という方は多いと思います。 何となく、味気ないと感じるからでしょうか? ではソナチネやソナタなど楽曲にある場合は? モーツァルト ピアノソナタ第16番K. 545第1楽章は、ソナチネアルバム1に掲載されています。 ソナチネアルバムは、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンといった古典派のソナタを弾く前の課題として取り組めるように編纂されています。 モーツァルト ピアノソナタK.545は、ピアノ学習者が初めて弾くモーツァルトのソナタになることが多いと思います。 その第1楽章は、音楽的に音階とアルペジオが弾けることで、これほど美しい音楽になるのかということを、あなたに実感させるでしょう。 さて音階を音楽的に弾くとは? 私は、歌うことだと思います。 本当に声に出して歌ってみたとき、どのように歌いたいですか? 音が上がる時は、少しづつ盛り上がり、音が下がる時は収めていくような、まるで穏やかな海の波のように、クレッシェンド、デクレッシェンドをして、中をふくらませるように、滑らかに聴こえるように弾くと良いと思います。 滑らかに聴こえるようにするのには、一音づつが、でこぼこに聴こえないようにすることが大切です。 それには柔軟な手の動きが必要です。 手の5本の指を見てみて下さい。 指を曲げた時、親指だけ他の指とは向きが違いますよね。 柔軟な手の動きのヒントはこれです。 よく親指を曲げず、立たせるようにして打鍵する子どもがいます。 彼らは「指の先」という言葉を聞いて、他の指と同様に親指も指先で打鍵しようとするのです。 これでは指と鍵盤の接地面が不安定です。もちろん一音ずつ、鳴ったり鳴らなかったり、音の大きさも不安定です。 それを解決するために、彼らは腕に力を入れて強引に引っ張ります。 音階やアルペジオを弾く時に腕に力を入れて強引に引っ張ると肘が張った状態で弾くことになります。 この状態で「はっきり弾く」というと「大きな音量で弾く」と捉える事が多く、さらに腕に無理な力を入れるので、さらに音もゴツゴツ、でこぼこに聴こえるし、弾

チェルニー100のやさしいレクリエーションNo.1~10 ピアノ教室CATピアノねこだよりのブログ

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趣味でピアノを習う日本の子供たち。 ピアノ教室に通って来ている日本の子供たちの多くは、ピアノを弾くことを趣味にしたいと思っていると思います。 弾いてみたい曲はあるけれど、小さなお子さんの場合、すぐその曲を練習することは難しい。 まず音楽に触れ音楽を聴く力を育てながら、音、リズムなど楽譜について学ぶことが必要です。 なので、いきなり好きな曲ではなくピアノ教本を、少しレッスンが進むとピアノ練習曲と他の曲集というように教材としての楽譜を用いることが一般的だと思います。 さて、チェルニー100のやさしいレクリエーション、今回は1~10番です。 チェルニー100のやさしいレクリエーション1〜10番 by  pianonekodayori チェルニーはピアノ練習曲を多く作曲しました。 チェルニーのもとには、職業音楽家を目指す弟子が学びに来ており、後世に名を残す音楽家が集っていたことが知られています。 しかし、この100のやさしいレクリエーションを見ると、職業音楽家を目指す方向ではなく、趣味でピアノを習いたい人に向けた曲集では?と思えるのです。 そして好きな曲を練習する前に、まず練習曲を弾きましょうと語っているように思えます。 1番は、きらきら星によく似た曲。9番まで練習曲のような曲が続きます。 2番は「山のぼり」(means mountain climbing) という題で、日本の出版社が色々な作曲家の作品をまとめた曲集で掲載されているのを知っています。 そして10番目が、きらきら星。 これは、多分間違いなく、モーツァルトの「ああ、お母様。あなたに申しましょう。」による12の変奏曲 K265 の影響だと思います。 練習曲を弾いて、モーツァルトを弾きましょうと、チェルニーが言っているように思えます。 さて、日本ではモーツァルトのK265を「きらきら星変奏曲」と呼んでいます。 モーツァルトの変奏曲k265のテーマは、もともとフランスの歌でした。 この曲が当時、ヨーロッパで大流行して、イギリスに伝わります。 その時、替え歌が作られました。それが 「 Twinkle twinkle little stars」だそうです。 日本でk265を「きらきら星変奏曲」と呼んでいるのは、このイギリスの替え歌が由来なのですね。 日本の子ども用のピアノ曲集では、きらきら星(Twinkle twinkl

杉山長谷夫作曲「出船」ピアノ教室CATピアノねこだよりのブログ

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  クラシック音楽としての日本歌曲? それとも歌謡曲? 杉山長谷夫氏が作曲した「出船」は、船が港を出港する情景と親しい人との別れる時の心境を表した日本歌曲です。 「出船」はユニークな曲です。 というのは、この歌を歌唱している歌手の方々がオペラ歌手だけではなく、流行歌を得意とする歌手であったり、演歌歌手であったりするからです。 YouTubeで「出船」を 聴くことができる動画を探してみました。 藤原義江氏は、日本における オペラ、オペレッタの普及、クラシック音楽の大衆化に影響が大きかった浅草オペラの人気歌手でした。 浅草オペラは、大正時代の1917年から1923年の間、東京の浅草で上演されたオペラやオペレッタのことです。 彼は浅草オペラに出演していた頃は正式なクラシック音楽の教育を受けていませんでしたが、その後、イタリアに留学。数々のイタリアの地方小歌劇場に出演。1931年にはパリのオペラ= コミック座のオーディションにも合格しているそうです。日本のオペラ団体「藤原歌劇団」の創設者でもあります。 またオペラだけではなく、流行歌も歌っていて、年末恒例のテレビ番組である紅白歌合戦に 出演しています。 紅白歌合戦は大晦日、日本のNHKで放送されている番組です。その年に人気のあった歌手が出演します。 藤山一郎氏は、1933年(昭和8年)に東京音楽学校声楽部(現在の東京藝術大学)を卒業しました。 東京音楽学校在学時より、歌謡曲をレコーディングしており、「藤山一郎」の芸名では流行歌、本名である「増永丈夫 Masunaga Takeo 」では、クラシック音楽の声楽家、作曲家、指揮者として活躍しました。 美空ひばり氏は歌謡曲の国民的歌手ですよね。女性としては低い音域で歌っています。 美空ひばり氏と同世代の歌手、島倉千代子氏。透き通った声質に日本の演歌独特のビブラートであるこぶしがかかっているのが特徴です。 現役世代の歌手では、石川さゆり氏。この人も 演歌歌手です。 ここに上げた方々は、NHK紅白歌合戦に出演経験があります。 その中で、クラシック音楽の正式な教育を受けた声楽家は、藤原義江氏と藤山一郎氏です。 世代的には、大正時代から昭和時代に活躍した方々です。 美空ひばり氏が歌手活動を開始した頃の1946年、1947年は、藤原義江氏も藤山一郎氏も現役で活躍されています。 美空ひばり氏は