チェルニー125のパッセージ練習曲125番 ピアノ教室CAT ピアノねこだよりのブログ






 チェルニー125のパッセージ練習曲の最終曲。

125番は、あなたのチェルニーの練習曲のイメージを良い意味で変えるでしょう。


日本人のピアノ教師は、チェルニーのピアノ練習曲が大好きです。
100番練習曲、リトルピアニスト、30番練習曲、40番練習曲、50番練習曲。
これらのいずれかを弾いたことがあるピアノ学習者は多いと思います。
または、すべて順を追って弾いたことがある方も多いと思います。
それほど日本人ピアノ学習者にとって、チェルニーのピアノ練習曲はピアノ教本の定番といえます。
チェルニー125のパッセージ練習曲は、定番のコースからは外れていますが、ピアノ教師が使いやすい、練習効果が高いといった意見があります。
私もこの意見に同感です。
30番練習曲と比べて曲が短いので、普段、短い時間しか練習できないけれど、その練習時間を有効にしたい方におすすめです、

チェルニーの練習曲というと、一般的には指を強くする、速く動かす為と思われていますが、色々な曲調があることがわかります。
 
この125番は4声のポリフォニーで作曲されています。
ポリフォニーとは?
合唱曲を想像してもらうとわかりやすいと思います。
ソプラノ、アルト、テノール、バスの4つのパートがそれぞれの旋律を歌っています。
これをひとりの2本の手、指で弾き分けるのです。



チェルニー125のパッセージ練習曲125番 

      by pianonekodayori


チェルニー125のパッセージ練習曲125番は、嬰ト短調というシャープが5つある調性の曲です。

同じ嬰ト短調で、J.S Bach  平均律クラヴィーア曲集第1巻18番 プレリュードをご紹介します。
この曲とチェルニー125のパッセージ練習曲125番を聞き比べると、よく似ていると思います。


演奏 by pianonekodayori 

チェルニーは、古典派時代の作曲家で、ベートーヴェンの弟子でした。
ベートーヴェンはチェルニーを教えるのに、J.S.バッハの息子であるC.P.E バッハの教則本を用いたそうです。
チェルニーは、J.S.バッハ、スカルラッティ、モーツァルト、クレメンティ、ベートーヴェンの作品を学んで、作曲の腕を磨いたそうです。

ポリフォニーで書かれた曲が、いかに重要視されていることか。


それは、シューマン作曲「小さなフーガ」でみたように、J.Sバッハの平均律クラヴィーア曲集を代表とするバロック時代の作品が、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典派時代の作品、その後のロマン派時代の作品に影響を及ぼしていることから、わかります。



複数の旋律を弾き分けることができると、

🎵 曲の構成を理解できるようになる。
🎵 それぞれの旋律を聞き分けるようになる。
🎵 音色の違いなど、明快な弾き分けを工夫できるようになる。
など、色々と学べます。


チェルニーは音楽教育家の一面もあって、チェルニーの弟子の中で最も有名な作曲家はリストです。その他にも、現代のピアノ演奏法につながるような影響力を持つ作曲家、ピアニスト、音楽教育家がチェルニーの教えを受けていました。


日本も明治時代以降、西洋音楽を受け入れ、クラシックピアノを取り入れたとき、チェルニーのピアノ練習曲は輸入されたのでしょう。

それから現代まで、チェルニーのピアノ練習曲は、日本ではピアノ教本の定番といった地位を保ち続けているのです。

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